「工場レイアウト設計」効率的な生産スタイルの決定方法

「工場レイアウト設計」効率的な生産スタイルの決定方法を説明してあります。

「工場レイアウト設計」効率的な生産スタイルの決定方法

要約

工場レイアウト設計における生産スタイルの決定は、効率的な生産プロセスを確立する上で重要なステップです。

生産スタイルは、製造業の性質や目標に応じて異なり、適切なスタイルの選択は生産性の向上やコスト削減につながります。

以下では、生産スタイルの決定方法について詳しく解説します。

この記事は、

*はじめて工場レイアウト設計の担当者になったが 、なにから始めたらよいのかわからないんです…

*工場レイアウト設計の「生産スタイルの決定方法」が分からず、とても不安です…

*工場レイアウト設計の実践的で確実な手法の手順を教えてほしい!

といったような方へ向けてまとめています。

この記事を読むことで、

*工場レイアウトの設計で成功するための重要なパターンやポイントを全て知ることになります。

*工場レイアウト設計の失敗を事前に回避できます。

*足踏み状態から前進していくことができます。(既に工場レイアウト検討を始め、停滞中の人)

私はこれまで計11棟の工場や倉庫のレイアウト設計に携わってきました。

その過程で知り得た工場レイアウトの設計などを説明していきたいと思います。

どうぞ、よろしくお願いします!

「工場レイアウト設計」手順における「生産スタイルの決定」の位置

「生産スタイルの決定」は「工場レイアウト設計」における「設計段階」の2番目の手順になります。

次図に示します。

生産スタイルの決定方法

生産スタイルを決めるには、最初に製品種類別の生産量の関係図(P-Q分析図)を作成する必要があります。

これに使用するデーターは、生産工場では生産管理部門にあるはずです。

製品種類別の生産量のデーターからP-Q分析をグラフに作成すると

下図のようになります。

(縦軸:生産量 横軸:製品数がグラフの単位です。)

P-Q分析図より

製品種類が20% 生産量が80%のグループをAグループ

製品種類が30% 生産量が15%のグループをBグループ

製品種類が50% 生産量が5%のグループをCグループ

3つのグループに分類します。

グループの特性から生産スタイルが決まります。

生産スタイルの種類

「ライン生産」スタイル(連続生産方式)

Aグループは製品の種類が少なく、生産量が多いため、専用の生産ラインを組む「ライン生産」スタイル(連続生産方式)になります。

定型化された製品を大量に生産します。

自動化された生産ラインで高速かつ効率的に製品を生産します。

生産プロセスの安定性と品質管理が重要です。

例:飲料製造工場。

生産スタイルの形態を図示すると

「セル生産」スタイル(バッチ生産方式

Bグループ製品の種類が中ぐらいで、生産量も中ぐらいのため、製品別に

ある程度専有化される「セル生産」スタイル(バッチ生産方式)になります。

一連の同様の製品を一度に生産します。

製品の生産効率が向上し、生産コストが低減します。

製品の変更には時間がかかるため、大量生産に向いています。

例:自動車の組み立て工場。

生産スタイルの形態を図示すると

「機能別生産」スタイル(ジョブショップ方式

Cグループ製品の種類が多くあり、生産量が少ないため、機能別に生産する「機能別生産」スタイル(ジョブショップ方式)になります。

個々の製品に合わせて生産設備を調整する柔軟性があります。

製品のバラエティが豊富で、小ロット生産に適しています。

作業者のスキルや設備の多様性が要求されます。

例:特注の機械部品を製造する工場。

生産スタイルの形態を図示すると

生産スタイルの決定方法の留意点

製品特性の分析:

製品の種類、需要の変動、生産数量などを評価します。

製品の特性に基づいて最適な生産スタイルを選択します。

生産効率と柔軟性のバランス:

ジョブショップ方式は柔軟性が高いが生産効率が低い場合があります。

バッチ生産方式は効率性が高いが柔軟性が低い場合があります。

連続生産方式は効率性が高く、柔軟性が低い傾向があります。

設備投資とコスト分析:

各生産スタイルの導入にかかる設備投資やランニングコストを分析します。

長期的な視点でコストと効率性をバランスさせます。

技術の適用:

自動化やロボット技術などの最新の製造技術を活用して生産効率を向上させます。

顧客ニーズと市場動向の分析:

顧客の要求や市場の動向に合わせて生産スタイルを選択します。

ニーズの変化に柔軟に対応できる生産スタイルが適切です。

まとめ

生産スタイルの選択は、工場レイアウト設計における重要な決定の一つです。

製品特性や需要予測、コスト分析などを総合的に考慮し、最適な生産スタイルを選択することが、効率的な生産プロセスを確立する鍵となります。

また、継続的な改善と技術革新によって、生産スタイルを常に最適化していくことが重要です。

このように、生産スタイルの決定は工場レイアウト設計の成功に不可欠な要素です。

各スタイルの特徴や決定方法を理解し、適切な選択を行うことで、効率的な生産プロセスを構築することが可能です。

参 考

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